海外移住、そして不動産投資は、夢のある話ではある一方で、実際に実現するとなるとなかなか手間がかかるものですよね。そんな不動産投資と海外移住を一手に実現できてしまう国があるんです。
この記事では「不動産投資の拠点としてのエストニア法人設立」に着目し、そのメリットや課題を紹介します。
なぜエストニア法人なのか?
エストニアは2014年にe-Residency(電子国民制度)プログラムを開始し、エストニアの電子行政サービスを一部外国人向けに開放しました。e-Residencyカードはこれまで約70,000人が取得し、日本でも安倍首相がエストニア訪問時にエストニア政府から贈呈されています。このe-Residencyにより、外国人(エストニア非居住者)によるオンライン法人登記や電子署名が可能となったのです。
法人登記にかかる申請料や時間、物理的な移動など、あらゆる点においてハードルが低いエストニアでの法人登記ですが、実際にどのような事業モデルと適性があるのでしょうか。一つの可能性として注目されているのは「不動産投資の拠点」としての法人登記です。なぜエストニアでの不動産投資がオススメなのか、その理由を解説いたします。
エストニアを不動産投資の拠点にするメリット
不動産投資に有利な税制度
エストニアの税制度は国際的に見て競争力が高いことで有名で、2019年にはOECD加盟国の税制度競争力ランキングで1位を獲得しました。法人税は20%。その上、利益に対してではなく、配当に対してのみ課税されるため、内部留保している限りは課税されない仕組みとなっています。
これは不動産を売却した際に発生する売買差益(キャピタルゲイン)に対しても同様に適用されます。不動産の売買や運用で得た利益をほぼ全額次の投資に回せるという点で非常に魅力的な税制と言えるでしょう。
地方税や不動産取得・譲渡税がなく、固定資産税が0.1~2.5%(地方自治体によって変動)とほとんどかからない点も、不動産を所有する上で見逃せないポイントです。詳しくはエストニア税務当局のサイトよりご確認ください。
事業者ビザを発行でき、自分自身もヨーロッパに移住できる
エストニアの法人を所持しており、65,000ユーロの資本金を入れている場合(従業員を伴わない自営業の場合は16,000ユーロ)、Temporary Resident Permitという最長5年の事業者ビザを取得することができます。
また、5年間エストニアに連続的に滞在し、納税義務やエストニア語を身につけるなどの諸条件をクリアすると永住権を取得することも可能になります。
不動産投資でヨーロッパ移住を計画されている方にとって、相性が良い国と言えるでしょう。
遠隔で事業運営が可能
ほとんどの場合、エストニア法人の設立や銀行口座の開設はオンラインで完結することができます。また、経費の申告などもPC上で完結することができるため、日本や海外にいながらエストニアの法人を管理することが可能です。
エストニア国外を拠点にしながらも、エストニア法人を遠隔で運営できるのは、何かと手続きが多い不動産登記において、便利でしょう。
都市部の土地開発が活発
エストニアの首都タリンでは各地で土地開発が進められています。
2026年にはタリン、リガ、ビルニュスのバルト3都市を結ぶ高速鉄道「Rail Baltic」が開通し、その終着駅がタリンのウレミステ地区に建設される予定です。セントラルマーケットやショッピングモールの再開発なども進んでおり、周辺諸国からの資本・人口流入が期待されています。
ザハ・ハディッド・アーキテクツがコンペで勝ち取ったバルト3国縦断鉄道計画のエストニア終着駅のプランがむやみにかっこいい件。 pic.twitter.com/WqRimcVZm0
— 山中俊治 Shunji Yamanaka (@Yam_eye) November 8, 2019
エストニアの不動産価格は日本の約1/3程度と言われています。
2011年以来、エストニアの不動産価格は上昇しており、今後もバルティックレールの開通や、2040年には対岸のヘルシンキとの地下トンネルが開通する計画が進むなど、不動産開発が盛んに行われている印象です。
個別の物件はKV.EEというサイトから検索することが可能です。
不動産投資をエストニア法人で行う課題
不動産の登記自体はアナログで行わなければいけない
エストニアでの行政手続きは99%が電子化されていますが、結婚、離婚、そして不動産の登記だけは直接役所に足を運んで行う必要があります。
エストニアで不動産ビジネスを運営する以上、いずれ現地に足を運ぶ必要があります。
暗く、寒い冬
エストニアの冬は寒く、首都タリンであっても、真冬は最低気温が−20度になる日があるなど、冬は厳しい気候が待ち受けています。また、日照時間も冬至は9時〜15時の6時間のみとなるなど、暗い時間が長く、冬季うつ病を発症する人が少なくありません。
その分、夏は涼しく、夜の23時まで明るい気候が待っていますが、とはいえ1年の半分を占める寒い気候が苦手な方は留意するべき点と言えるでしょう。
厳しい冬を乗り切るために、エストニアにはサウナが備え付けられている物件が少なくありません。プライベートサウナで汗をかき、寒さを吹き飛ばす。もともと寒い気候が苦手だった中の人ですが、サウナにハマって以来気にならなくなりました!
エストニアの税制度を理解する必要がある
日本の税制度とエストニアの会計制度・税制度とでは異なる点があり、別途理解を深めることが必要不可欠です。SetGoでは個別のサポートセッションをご提供しておりますが、エストニアの税制などビジネスに関わる諸制度の概要については、以下の記事にまとめてありますので、是非ご確認ください。
言語の壁
日本を拠点に活動する場合であっても、e-Residencyの申請や、法人設立に関わる手続き、ビジネスに関わる諸制度の理解には英語を使わなくてはなりません。
SetGoでは日本語でのサービスやカスタマーサポートを提供しておりますが、完全に英語抜きでビジネスを運営するというのはなかなか難しいものです。最低限の英語を利用することは前提に置いた上で、検討を進めていただければと思います。
エストニアの公用語はエストニア語ですが、ビジネスに関する諸手続きはほぼ英語で完結します。中の人はエストニアに移住して3年目ですが、英語ばかりを使う生活のせいか、全くエストニア語が喋れません…。
まとめ
上に挙げられたメリット・課題を鑑みて、不動産ビジネスとエストニア法人との適性は以下のように判断できます。
向いているケース
- 手元に資金があり、不動産投資を検討されている方
- 将来的なヨーロッパ移住を検討されている方
- 投資に際して実際にエストニアに足を運ぶことに抵抗が無い方
向いていないケース
- エストニアに渡航することが難しい方
- 電子機器の扱いに苦手意識がある
(PCを使って電子署名や確定申告をする必要があるため) - 寒い気候がどうしても苦手な方
- 英語を一切使わずに完結させたい方
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エストニア法人の運営を日本語でサポート
SetGoは2019年にローンチされた、エストニアでの法人設立や事業運営をサポートするサービスです。弊サービスでは、エストニア法人設立のみならず、現地の不動産エージェントのご紹介や、ビザ発行のご支援等、幅広いビジネスサポートを日本語で実施する「エンタープライズプラン」を展開しています。
本記事を読まれた上でエストニアでの不動産ビジネスにご関心を抱いたという方は、是非SetGoのご利用をご検討ください。
また、料金のお見積もりやビジネスのご相談などについても、お気軽にご相談ください。
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