e-Residency

SNSの開設より簡単!? エストニアの法人登記プロセス徹底解説 【e-Residency How-To Guide #2】

「18分」 これは2009年にギネスに登録されたエストニアにおける法人登記所要時間です。驚くべきことに自宅で、もしくはカフェで、インターネットが通っている限り、世界中どこからでもオンラインで登記することが可能です。その簡単さは、「SNSアカウントの開設より簡単」と称されるほど。

今回はe-Residencyを取得した皆様に、オンライン法人登記サービス・SetGoを利用した法人登記のために必要なもの、そして簡単な手順を解説します。

SetGoとは

 

 

そもそもエストニアで法人を設立する際には、海外からの申請者(e-Resident)は、エストニア国内の住所(リーガルアドレス)及び政府からの連絡を受けるコンタクトパーソンを自力で用意することができません。したがって、それらを有償で提供しているサービスプロバイダーを利用する流れとなります。

SetGoはその事業者の中の一つ。e-Residencyを通した法人登記・事業運営を支援するためのサービスを提供する企業です。日本人・エストニア人で運営されるハイブリッド企業として、日本語・英語での多言語サポートを提供しています。

これまでe-Resident向けの情報は英語が多く非英語圏への情報格差が問題となっていましたが、SetGoではユーザー同士が参加できるコミュニティを通して解決する狙いです。

 

SetGoのサービス

エストニア法人の登記・運営に必要なリーガルアドレス・コンタクトパーソンの提供のほか、数々のエストニア企業・日本企業とパートナーシップを組み、現地のサービスをシームレスに利用できるマーケットプレイスも提供予定。例えば、税制などの面で不安がある方は、SetGoのプラットフォームからそのまま税理士のサービスを利用する、ということもできるようになります。

費用

  • 法人登記費用350ユーロ(190ユーロの登記費用含む)
  • 月額35ユーロ
    ※税別

サービス内容

  • 法人登記サポート
  • コンタクトパーソン、リーガルアドレスの提供
  • 日本語でのカスタマーサポート
  • 言語ごとに整備されたコミュニティ(今秋ローンチ予定)
  • マーケットプレイスを通した会計、税務、法務などの業務支援

 

法人登記に必要なもの

それでは早速、法人登記にあたって必要なものをご紹介しましょう。

①会社名

まずは会社名。こちらは半角英数字・一部記号のみの対応となっています。すでに同名の法人が存在するかは、SetGoの検索機能で確認することが可能です。

②登記費用

次に、法人登記申請費用です。

SetGoを利用して法人登記をする場合は、法人登記サービス料350ユーロ(190ユーロの登記費含)+初月利用料の35ユーロとなります(税別)。

支払いはクレジットカードで完結。なお、資本金(最低2500ユーロ)の支払いも必要ですが、これは法人登記後の支払いも可能です。

③リーガルアドレス・コンタクトパーソン

エストニアで法人を登記する際には、エストニア国内の住所と、エストニアの永住権を持つ代表者を登録する必要があります。とはいえ、e-Residencyを通して法人登記する大半の方が国外からのオンライン登記。

そんな方々のために、SetGoはこれらリーガルアドレス・コンタクトパーソンを提供しています。つまり、SetGoを利用して法人登記を行う場合、これらの情報を事前に用意する必要はありません

④事業領域

こちらは法人登記をする際、またその後銀行口座を作成する際の審査で使用されます。
SetGoから申請する場合は、リストの中から選択いただく形になります。

⑤e-Residencyカード

これは言わずもがなですね。法人登記申請はe-Residencyカードの到着後でないと申請できないので気をつけましょう。

この5点をそろえれば、事前準備は完了です。

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法人登記までの流れ

さて、事前準備が完了すれば、あとは法人登記をするだけ。SetGoによる法人登記は以下の流れで進行します。所要時間は10分です。

 

SetGoで法人開設

① 会員登録

まず、e-ResidencyカードもしくはEメールを使って会員登録を行います。e-Residencyカードがうまく読み込めない場合は以下の対策を試してみてください。

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② ビジネス情報の入力

会員登録を済ませた後、実際の法人登記手続きが進みます。入力項目は以下の通りです。

  • 会社名 英数字、エストニア語文字、一部記号が利用可能
  • 事業領域 リストから選択
  • 資本金 最低2,500ユーロ〜
  • 創業者・役員の基本情報 名前・連絡先・住所など

なお、創業者・役員となる全てのメンバーはe-Residencyカードを保有している必要があります。

③ 支払い

ビジネス情報を入力し終えたら決済画面に移ります。PayPalを通してクレジットカードでお支払いすることが可能です。翌月以降は毎月1日に月間サービス利用が請求されます。

④ 申請書類の提出

創業者が一人の場合

Paypalでの支払いが完了すると確認画面が表示され、定款・申請書を確認、署名したのちにエストニア政府に提出されます。通常1営業日以内に結果を受け取ることが可能です。

創業者が複数人の場合

創業者・役員が複数人の場合は、別途SetGoチームのレビューを待つ必要がありますが、こちらも通常3営業日以内で完結します。その後、ビジネスポータル上での署名手続きが必要になる点、予めご了承ください。

電子署名をする際は、PIN2(5桁の暗証番号)が必要になります。予め確認しておきましょう。

 

⑤審査&登記完了

SetGoを利用した場合は最短1営業日で法人登記が完了。これであなたもスタートアップの世界へ仲間入り!エストニア、そしてヨーロッパのビジネスシーンに羽ばたくことができます。

 

SetGoで法人開設

 

透明性の高いエストニアでビジネスに挑戦!!

エストニアでは、法人登記のデータベースも民間企業に公開しています。そして、SetGoは、自社の申請フォームと、政府の法人登記データベースを連携しているため、政府ポータルにアクセスして入力しなくても、自社の申請フォームで完結する、という仕組みです。

世界最速と言われるエストニアの法人登記システム。いかがでしょうか。これであなたも晴れてエストニア企業のビジネスオーナー!と祝杯をあげたいところですが、会社を運営するにはもう一つ踏まなければならない重要なステップがあります。それはビジネスに利用する法人口座の開設です。

次回の記事では法人登記後に必ず必要になる「銀行口座の種類・開設方法」についてご紹介します。

https://estonia-holic.com/estonia-bank-account-open-guide/

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e-Residencyと連携したオンライン法人登記プラットフォームを提供していいるGov-Techスタートアップ。EU圏にアクセス可能なエストニア法人の設立・事業運営をサポートすることで、世界中・全ての人々が平等、かつシームレスに行える未来を目指している。エストニアに進出する日本企業に対してコンサルティング事業も展開中。