エストニアという北欧の南にある小国で、新進気鋭のユニコーン企業が続々頭角を現していることをご存知でしょうか?
ユニコーン企業とは、評価額10億ドル以上の非上場、設立10年以内のベンチャー企業を指します。例えば、日本だとフリーマーケットアプリ「メルカリ」が代表例です。(注:メリカリは既に上場済み)ユニコーン企業の世界ランキングでは、中国と米国が多数を占めていますが、エストニアも今注目すべき国と言えるでしょう。
今回は2019年に注目するべき、エストニア発のユニコーン企業4選をご紹介します!
そもそもエストニアでは何が起こっているのか
エストニアでは、2014年に外国人に向けて政府の電子プラットフォームを解放する電子国民プログラム e-Residency がリリースされました。これを取得することで、どの国の人間でもデジタル上でエストニアの仮想居住者になることができ、Web上での起業手続きや電子署名が利用できます。この制度ができたことで、エストニアでは世界中の起業家がビジネスをスタートしやすい環境となっています。
また、エストニアはIT立国をビジョンに掲げ、2020年までにスタートアップを1000社を生み出そうとしています。国家を強くするためにリーダー達が次々に行動を起こしていて、経験豊富なエストニアンマフィア (ITベンチャー、スタートアップとして世界で活躍している人々) がメンターとなり、スタートアップをサポートする体制も整っているのです。
では、実際にどんなスタートアップが同国では誕生してきたのでしょうか。
エストニア発の注目ユニコーン企業
1.P2P通話システムのSkype(2003年創立)
- 言わずとしれたエストニア発ユニコーン企業第一号
- 初期設定が簡単で、非常にクリアな音質の通話が無料で行える
- 2011年10月に米Microsoftが買収して、現在はMicrosoftの一事業部門として展開
世界中のユーザーと無料で音声通話、ビデオ通話、文字によるチャット、ファイルの送信などができるサービスを提供しています。業務や友人とのコミュニケーションで使用したことのある方も多いのではないでしょうか。
現在は企業向けの「Skype for Business」というサービスも提供しています。オンライン会議に250名までのユーザを追加でき、エンタープライズレベルのセキュリティを提供!また、従業員のアカウントを管理でき、Office アプリに統合可能です。
エストニアではSkype出身者によるスタートアップが次々と設立されており、これは「スカイプマフィア」と呼ばれています。今回紹介するTransferWiseもその中の一つ!
2.配車サービスのBolt(2013年創立)
- Uberのようなライドシェアリング事業を展開している
- エストニアをはじめ、ヨーロッパ全域、アフリカ、オーストラリアにも展開している
- 冬の気候が厳しいエストニアの交通手段として重用されている
世界30ヶ国に展開しており、ドライバーの数は50万人、世界中の乗客数は2500万人にものぼります。Boltは自社の車両管理システムをタクシー会社にも提供。タクシー会社は自分たちでシステムを開発せずとも、Boltユーザーに自社のサービスを提供できます。しかも、システムの利用料はドライバー1人あたり月額12〜15ユーロと良心的!地域で昔から活躍している既存プレイヤーとの共存にチャレンジしています。
業界大手のUberと比較して、Boltはドライバーへ支払われる手数料が10-25%と低めに設定されていますが(Uberは20-30%)、その分運賃も Boltの方が安いのが特徴です。
CEOのMarkus Villig氏は当時19歳(!)高校在籍時にBoltを創業しています!
3.カジノゲームのPlaytech(1999年創立)
- 本場カジノやオンラインカジノのゲームソフトを製作
- Skypeに次ぎ、2番目にユニコーン企業として認められた
- 2012年にロンドン証券取引所に上場
エストニア発で今や世界最大級となったオンラインゲームソフトウェアメーカーです。オンラインカジノやポーカーを初めとして、500以上のゲームを提供しています。毎年50以上の新しいカジノゲームを公開しており、それらゲームにはプレイテック社による最新のテクノロジーが使用されています。ゲームソフトの製作を始め、開発、維持、管理など全てを自社で統一して行っているため、非常にハイクオリティなことで有名です。
1999年以来めざましい勢いで発展し、現在では従業員数5000人、拠点は17か国と拡大を続けています。
Playtechの人気上位だったMARVELキャラクターを使用したゲームが、MARVEL社がディズニーに買収されたことにより2017年3月に惜しまれながら終了。それに代わり現在は古代ギリシャの偉人をモデルキャラクターとした「Age of the Gods」というゲームが人気一位となっています!
4.送金サービスのTransferWise(2011年創立)
- 日本でも展開中の、世界的な国際送金サービス
- 57通貨に対応し、送金できる国は49カ国に及びます。
- 毎月5億ポンド以上の送金を行っており、90%の送金が24時間以内に完結するなど、利便性も高い
銀行を利用した一般的な国際送金と比べ、最大1/8のコストで送金することができる点が特徴です。従来手続きが煩雑であった国際送金の処理がシンプル化されており、 かつ為替の公表レートをそのまま採用しているため、手数料の透明性も担保されています。
利用画面も見やすく使いやすいデザインで、誰でも手軽に送金できる利便性の高さに驚きます!
創立者はSkypeの創業メンバーとして参画し、戦略ディレクターを務めていたTaavet Hinrikus氏。
次期ユニコーンとして注目されている企業を先取り!
CRMソフトのPipedrive(2010年創立)
- NEXTユニコーン企業として注目株!
- 複雑になりがちな営業プロセスを一括して管理できるCRMソフトを開発
- 小規模から中規模のセールスチームを対象としている
- パイプライン管理、メールの連携、活動・目標管理、販売レポート、販売予測、モバイル対応が可能
独自のマーケットプレイスでは100を超える外部サービスの接続・統合が利用可能で、メールの自動化、提案書の作成、電子署名、自動リード評価などができます。全ての案件を1枚のページで管理可能であり、同社が手掛けるCRMソフトウエア「pipedrive (パイプドライブ)」は現在、米Amazon.comや英国系旅行サイト大手のSkyscannerなど、世界170カ国の8万社以上に利用されています。
日本語にも対応済み(日本語公式HP有)で、日本からもサービス利用することが可能!
2019年4月、女性営業アウトソーシング日本国内大手のSurpassがPipedriveとの国内販売契約を締結しました。SurpassはPipedriveで日本企業の営業現場を活性化させることを目標に掲げています。
エストニアのユニコーン企業の特徴、そしてこれからは・・・?
エストニア発、注目すべきユニコーン企業4つと次期ユニコーン企業1つを紹介しました。こうしてみると、ITを活用したユニコーン企業が大活躍していることがわかりますね。電子国家として日本でも少しずつ話題になっているエストニアらしい特徴です。
エストニアは国土が日本の1/9、人口が130万人の小国です。そのため、どの企業もエストニアだけに腰を据えず積極的にマーケットを世界へ向けている様子もうかがえます。
e-Residentになる日本人も年々増加しており、日本人が設立し話題となるユニコーン企業が生まれてくるかもしれません!当メディアでは引き続きエストニアの注目企業を追っていきます。
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