最近エストニアやe-Residencyに関する内容が薄い記事を目にすることが多いです。エストニアの表面的なところしか取り上げておらず、本当に残念な気分になってしまいます。
Estonia Holic!ではそういった記事を取り上げて、電子国家の本当の姿をお伝えしていきたいと思います。
今回取り上げる記事
-Business Insider Japan
今回はこちらの記事の内容を引用しながら、ぼくが思う本当のエストニアの姿をお伝えしていきたいと思います。まずはご一読することをおすすめ!
それでは早速コメントしていきましょう。
ここが違和感 e-Residencyの本当の意義とは
e-Residntの数と出生数を比べる意味は?
「イーレジデンシー(e-residency:電子居住)」の利用者が、エストニアの人口増加率を上回るスピードで増えている
だから何か?というのが正直な感想です。
おさらいですが、e-Residentができることは以下の3つ。
- 法人の設立
- 銀行口座の開設
- 電子署名
つまり法人として動けることは多くても、個人として動けることは少ないのです。
したがってエストニアの出生数と、e-Residentの増加数を比べるのはナンセンスなのではないでしょうか。
”人口時限爆弾”というキャッチーなフレーズで表現したかったのでしょうが、注目すべきはエストニア国内の法人税増収率に対するe-Residency企業からの法人税増収率でしょう。
e-Residencyのために特別な開発をしたの?
イーレジデンシーはエストニアが進めるデジタル化の一例に過ぎない。
これは構造化ができていなくて、エストニア政府が国内向けに開発したプラットフォームを、自国民だけでなく外国人に使えるように開放したのがe-Residencyプログラムです。
したがってe-Residencyのためになにか新しくエストニア政府がプラットフォームを開発した事実は現状ありません。(ランディングページやコミュニティページは除く)
つまりe-Residencyプログラムは、間接的にはデジタル化、直接的にはポリシーの変更による産物と言えるでしょう。
著名人がe-Residentになった理由は?
にもかかわらず、世界中の多くの著名人がイーレジデンシーにサインしている。
これはエストニアのマーケティング戦略です。自国を訪れた著名人にe-Residencyカードを贈呈することで、そのプログラムの認知度・知名度を上げようという、スタートアップ顔負けのブランディングプランですね。
政府要人が起業をするのが難しいことを鑑みると、e-Residencyを取得してもほとんどできることがないのが事実です。あくまでもマーケティング戦略ということですね。
e-Residencyはどんな恩恵を政府にもたらすの?
電子居住者が直接的な税収をもたらすわけではないが、電子居住者に金融サービスを提供する国内企業は、エストニア経済の活性化に貢献した。
e-Residencyの最大の目的の一つは、同プログラムを通して設立された企業が活発になることによる法人税の増収です。したがって直接的な増収も彼らの目的に入ってきています。
ちなみに法人設立支援会社のLeapINや各銀行などは、月額の手数料を利用者に課すことによって、安定的に収益を得ています。この点もクレバーですね。
まとめ
e-Residencyプログラムは海外からリモートでも法人を開設・運営できることに意義があります。単にe-Residentになっただけでは、その恩恵は「電子署名を行える」ことに限定されてしまい、エストニアに移住予定の方でない限りは活用することはほとんどないでしょう。
とはいえe-Residencyチームもオフィシャルに「ベータ版」と表現している現行のプログラム。今後のアップデートが楽しみです。
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