ローマ教皇がエストニアの電子国民に
先日、フランシスコ・ローマ教皇がエストニアを訪問しました。
その際エストニアのカリユライド大統領からe-Residencyカードが手渡され、ローマ教皇がエストニアの電子居住権を取得した、と話題になっています。
His Holiness the Pope Francis @Pontifex just became an e-resident of #Estonia. Welcome to our #digital society! Now we have e-residents from 157 countries around the world #eResidency #PopeInEstonia #PopeFrancis pic.twitter.com/2KcvUbnqqE
— Kersti Kaljulaid (@KerstiKaljulaid) 2018年9月25日
e-Residencyを取得した国際要人の例としては、他にもドイツのメルケル首相、そして日本の安倍首相が挙げられます。彼らも今回と同様、エストニア訪問時に手渡されています。
e-Residencyを取得すると何ができる?
ただし、彼らがe-Residencyを取得したとしても、できることは限られています。
そもそも2018年時点でe-Residencyでできることと言えば、
- 遠隔での会社の設立
- ビジネス銀行口座の開設
- 電子署名
ですが、そもそも国際要人が会社を作ることは現実的ではないですし、したがってビジネス銀行口座も開設する必要もありません。万が一会社を建てたとしても、政治的要職に就いている人は、Political Exposer Personとして銀行口座の開設の際にハネられることが多いので、銀行口座の開設、という意味でも実現性は低いです。
残されたのは電子署名。エストニアとの条約の批准の際に、電子署名を使ったらそれはそれで話題になりそうですね。
まとめ
つまり、今回のローマ教皇へのe-Residency付与はパフォーマンス的な意味合いがほとんどの意味を占めています。それでも自分の国の首相や要人がエストニアの電子国民と言われたら気になってしまいますよね。
こうやってe-Residency、電子国民といったキャッチーなフレーズをいたるところに散りばめながら、世界中を巻き込んで展開しているエストニアのブランディング・マーケティング戦略の巧みさたるや。本当に企業がマーケティング活動をするような形で、ビジネス感覚に長けた政府がe-Residencyを普及させようとしています。
皆さんもエストニアのニュースを目にしたら、その裏にあるマーケティング戦略はどうなっているんだろう?とぜひ考えてみてください!
Warning: Trying to access array offset on value of type bool in /home/r9037453/public_html/estonia-holic.com/wp-content/themes/jin/cta.php on line 8
Warning: Trying to access array offset on value of type bool in /home/r9037453/public_html/estonia-holic.com/wp-content/themes/jin/cta.php on line 9